幼児体育のインストラクターをやってきて
一番大変だったのが3歳児です(笑)
特に幼児期の子供は月齢の差が明確に出ますので
3月生まれの3歳児と
4月生まれの3歳児では
言葉や理解力、運動能力に大きな差が出てきます。
幼稚園保育園こども園でいえば年少クラス。
園で人数や方針の違いはありますが
一人で20人近くの子供たちをまとめ、活動させるのは大変です。
複数担任にしている園も多いです。
そして3歳くらいからは習い事を始める子もいるでしょう。
何を目指すのか、何を習わせるのかは家庭の事ですので
ご自由にしていただければ構わないのですが
将来子供が心身ともに健やかに育っていくには
やはり体が資本だと思います。
そして子供の運動能力の発達を知っておくことで
今どんな経験が必要なのかということも見えてきます。
成長過程にある子どもの運動能力の発達についてはこちら
今日は人と関わりを持つようになる
3歳児年少クラスの運動能力の伸ばし方について
話したいと思います。
ただ、子供の発達や発育、興味はさまざまですので
他の子との比較で安心、不安になる必要はなく
客観的に発育の実情を捉えるようにしてください。
Contents
基本的な動きが未熟な3歳児
2歳から3歳の子供ってホントにかわいいピークですよね。
動きにあどけなさが残り
言葉もたどたどしく
何をやっても許される歳ごろですよ。
経験上今まで指導してきた子供の中で
この3歳の時期に明らかに差がある子供というのは
ほとんど見たことがありません。
月齢、成長の速さ(体格)を考慮したうえでも。
現在プロで活躍している選手も同じでした。
ずば抜けて何かに秀でているわけでもなく
〇歳○ヶ月くらいならこんな感じだなという印象です。
スタートラインはみんな一緒ということですね。
3歳になるとほとんどの子供が幼稚園や保育園に通い出します。
集団生活に入り他の子供と関わるようになり
その環境に適応しようとしていきます。
そこで人の動きを見て
興味を持ったことは真似するようになり
あそびの中から楽しいことを繰り返し行うことで
技術の習得をしていくようになります。
3歳児で獲得できる運動の種類
幼児期の子供は
環境やあそびの中で運動能力を
大まかに3つの動きとして習得することになります。
それは
- 身体のバランスをとる動き
- 身体を移動させる動き
- 用具などを扱う動き
です。
身体のバランスをとる動き
1歳や2歳の頃ってよく転びますよね。
これは当然バランス感覚が未発達だからです。
3歳児になると1,2歳で培ったバランス感覚をもとに
転ぶ回数も減り
いろいろなあそびや運動を
経験しようとしてくるようになります。
危ないからといって
過剰に転ばせないような配慮をしてみたり
転んだ後に自分で起き上がらず
手を貸して立ち上がらせるようなことばかりしてしまうと
3歳になっても頻繁に転んでしまったり
手をつけない子供になってしまうんですね。
こういった運動経験で自分の身体をコントロールするようになり
基本的な動きを何度も繰り返すことで
より巧みな運動能力を獲得するようになっていきます。
3歳児で特に実践してほしいバランスをとる人気のある遊びはこちら
身体を移動させる動き
これは非常にシンプルな動きなんですが
これを経験しておかない事には運動能力は高められません。
いわゆる体幹につながる動きです。
もちろん先ほどのバランス感覚が
大きく影響してくるわけですが
バランス感覚は三半規管を鍛えて身につけることに対して
こちらは身体の重心を移動させながら
身体の芯を保つ動きになります。
例えばジャンプをして遠くに跳び着地するとか、
前傾姿勢で走るとか、
バランスを崩しそうになって立て直すとか、
転がった後にスッと立ち上がるなど、
大人になればできそうなことだと思われるかもしれませんが、
運動の経験をしていない事にはこの運動能力は身につきません。
知り合いの教育者で事あるごとに「今の子供は...」と言う人がいるんだけど、今の気候は昔と違うし、子供全員に暑さの耐性を求めるのは無理な話。
教育者の概念も時代に対応していく必要あるよね。もちろん安全面の徹底と個人の判断で中止にできる権限を。— 杉本輝雄(てるっち)ワンオペは無理 (@terutti1973) 2018年7月17日
ツイートの主旨は違いますが
年配の方に
「今の子供は…」
と言われてしまうことに
ものすごく違和感があって。
昔はあぜ道、田んぼ、舗装のされていない道、草むら、
といった天然の遊び場所が
たくさんあったのですが
今の子供たちに
そういった運動に適した子供だけで遊べる場所は残念ながら提供されていないのが現実です。
こういった現状も親として知っておく必要があるんです。
昔と今は違いますので
今の時代に合わせた運動能力の伸ばし方という方法も考えていかなければいけないんですね。
用具などを扱う動き
実はこちらの動きを習得するのには時間がかかります。
厳密に言うと「時間がかかる気がしてしまう」です。
なぜなら用具を扱う運動は
明らかに上手い下手が目にみてわかりますし
歩く、跳ぶなどの動きに比べ
その用具を四六時中扱えるわけではありません。
また用具を上手く扱うにはその用具の特性を理解しないといけないからです。
例えばボールの特性といえば
転がる、丸い、弾むなどですね。
3歳児にボールつきをやらせてもまずうまくできる子はいません。
それはボールが弾むという特性を理解できていないからです。
ボールをキャッチにしても同様で
特性理解に加え空間認知力が未発達なので
ボールがどこに飛んでくるのかを把握できなかったりするからです。
では縄跳びの縄はどうでしょう。
しなる、遠心力を利用して回す、曲がる、若干伸びるなどですね。
身体の使い方と用具の特性を理解して初めて前まわし跳びが飛べるようになってくるんです。
3歳からでもできる縄跳びのあそび方はこちら
これらの特性は3歳児に頭で理解しろと身体や脳の発達から言ってもまだ無理なんですね。
しかし、経験により頭で理解するよりも
成功体験の積み重ねによる身体で理解する方が
ずっと上達は早いです。
ですからこういった用具を
見て、触れて、遊んでみることは
その先4歳、5歳と成長していくうえで
非常に役立ってきます。
そして3歳が終わる頃には
少しづつですが用具の特性を理解し
扱えるようになってくるんです。
身近な物で用具の特性を知る経験を積むにはこういった運動があります。
3歳児に必要な運動とは
これらの事を踏まえ
3歳児にどのような運動経験をさせたらいいのかといいますと
一番効果があるのが公園です。
住宅街にあるすべり台、ブランコ、ジャングルジムなどの大型遊具のある公園、
郊外にある芝生広場のあるような公園
こういった場所で
思いきり身体を動かすことで
子供の運動経験が積まれ、運動能力が身についてきます。
子供の為にという気持ちは捨てて
ここまでくると
忙しい、疲れたを
子供とあそんであげれない理由にしてはいけない感じになっていますが
無理して子供と遊んであげなきゃというプレッシャーを自分に課せないでください。
自分もそうですが
一日ハードに働いてきて
さらに子供の為に何かしてあげようと
思ってしまうとストレスになり逆効果です。
幼児の運動あそびに必要な時間は一日60分以上と言われています。
でも週に2回、できれば3回4回…
5分、10分無理のない範囲で子供に「あそぶ」感覚を教えてあげるのが一番いいんです。
時間がある時に公園などでガッツリ遊ぶ。
できれば子供以上に楽しんであそぶのが理想的ですが(笑)
5歳、6歳以降になってくると
月齢が遅くても成長が早い子が出てきたり
グループの中でもリーダーシップをとる子が出てくるようにもなってきます。
そんな中に入っていける子は当然ですがあそぶ経験をしている子です。
スタートラインが一緒の3歳児。
どれだけ子供が遊ぶ経験をしたかで
3年、4年後に差となって表れます。
ぜひこの時期にお子さんと目いっぱい遊んであげてください。
家でもあそびはたくさんできます。
引き出しはたくさん持っていた方が何かと便利です。
壁に掛けておくだけでスキマ時間に楽しく運動(あそべる)マグネットダーツ。一人でも、兄弟でも、親子でも、友だちとも。我が家でも少しの時間で運動できるので重宝しています。
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