身体を動かすことは子どもの仕事といってもいいのですが
好奇心旺盛な子では2歳くらいからコロコロとでんぐり返しができる子もいます。
2歳くらいだとまだ手足も短く、身体も柔らかいので
教えるよりも感覚や逆さへの興味でまわれたりするんですね。
それはそれでいいのですが
でんぐり返しも正しいまわり方というものがあります。
といっても体育的な分野での正しいまわり方なので
絶対これでなければいけないというものではありません。
ただ、でんぐり返し(前転)は
バランス感覚や身体の柔軟性、平衡感覚、身体の使い方、連続した動作といったスポーツや運動に欠かせない要素を含んでいます。また自分自身の身体を守る受け身としての役割も重要な役割の一つです。
意外に知らなかったというポイントもありますのでぜひ理解してお子さんが身につくように家で取り組んでみてください。
Contents
でんぐり返しは立ちあがるマデ
頭をつけてゴロンとまわるまでは想像できると思いますが
じつは
手をつく
↓
頭をつく
↓
転がる
↓
立ちあがる
までが一連の流れです。
では少し細かい留意点を一コマづつ解説していきましょう。
①手はなるべく足の近くにつきます。手と手の感覚は肩幅くらい。
②頭をつく前に目線に注意してください。この時の目線はおへそです。おへそを見ないと安定せずにうまくまわれません。
③後頭部をつけたらそのまま回ります。おへそを見るのはこの後頭部をつけるためです。
④そのまままっすぐに回ります。②と③ができていればまっすぐ回れます。
⑤なるべく足を揃えてまわれると綺麗です。できればまわった勢いで手を前に出したまま手をつかずに起き上がります。
⑥起き上がったら膝を曲げ立ちあがる準備をします。これもお尻の横に手をつかないように意識してみましょう。
⑦ポーズを決めて「できた!」
でんぐり返しで失敗しやすいつまづき
上手くまわれない時はこれらの事が原因である事が多いです。
・手と足の距離が離れている
・頭頂部がついてしまう
・背筋が伸びてしまう
このようなまわり方になると
頭頂部がついてしまい、目線もまっすぐ後ろ、背筋が伸びてバランスを崩しお世辞にも「上手にまわれたね」とは言えません。
このように横に転がってしまったり、
まわるのではなく、「ドシン!」と背中を打つような転がり方になってしまいます。
でんぐり返しがうまくまわれる予備動作
⑤の画像で手をつかずに起き上がると伝えましたが
力の入れ方や腹筋の未発達で
なかなか浮き上がるのが難しい子がいます。
年中クラスあたりからこういったチャレンジをしていくのですが、
やはり最初はうまく浮き上がれる子はいません。
そこでいろいろな予備動作やあそびを取り入れながら行なってみると自然に身体の使い方、力の入れ方、腹筋がついてきて5歳後半くらいにはできるようになっていきます。
だるまさん
膝を抱えて小さくなります。
子どもの身体を支えながら後ろに倒します。膝は離さないようにします。
お尻が浮くくらいまで後ろに転がします。
「せーのっ!」などと声をかけ、身体を起こします。なるべく自分の力で起き上がれるように支える力を加減してみてください。
一人で起き上がれるようになれば完璧です。
ですが、筋力や身体の使い方はすぐに習得できませんので
長い目でチャレンジしてみてください。
そのほか、
子どもと競争しながら行うと楽しくできます。
山越え前転
ある程度正しくまわれるようになっている子なら
枕などを使ってその上をまわるようにしてみてください。
起き上がる感覚がつかめるようになってきます。
枕の代わりに座布団をたたんで坂道を下るような形にしても同様のねらいが期待できます。
でんぐり返しから得られる応用力
冒頭でも述べましたがでんぐり返しは様々な運動要素を含んでいます。
「ただ回るだけ」
と思いがちですが
縦にバランス良くまわることができると次の運動へ素早く移ることができ、運動の応用力がついていきます。
例えば30代後半くらいになると一般の大人は平衡感覚が衰えてきます。
二回連続ででんぐり返しをしようものなら起き上がった後に目が回りフラフラになってしまいます。
ところが正しくまわることができる子どもは平気で何度もコロコロとまわり続けることができるんですね。
こういった成長過程の強みを生かして
でんぐり返し→ジャンプタッチ、
着地→でんぐり返し→ダッシュ、
後ろ走り→でんぐり返し
といったコーディネーショントレーニングは様々なスポーツのトレーニングとして採用されています。
もし子どもと一緒にいろいろな運動を組み込みたかったら
子供の可能性は無限と言うけど
実は環境次第では有限なんですよ。何の刺激も影響もない育ち方の場合、人間として身体が成長してから何かを伸ばしたいと思っても無理があるわけで。
逆に言えばいろんな刺激を与える事で可能性は作れると思っています。
ただその可能性は未来の事なのでわからないし→— 杉本輝雄(てるっち) (@terutti1973) 2019年7月2日
子どもの可能性は作れます。
お子さんにたくさんの刺激を与えてあげてください。
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